「熱湯の美学、歴史が息づく湯処」
長野県下諏訪町に佇む「旦過の湯(たんがのゆ)」は、鎌倉時代に慈雲寺を訪れる修行僧のために建てられた旦過寮の浴場が起源とされる、歴史ある共同浴場です。2012年のリニューアルにより、木の温もりを感じる和風の建物へと生まれ変わりましたが、地域に根ざした温泉文化は今もなお息づいています。
泉質はナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物温泉で、無色透明ながらも柔らかな肌触りが特徴です。湯口の温度は約52度と高温で、切り傷や火傷、神経痛、筋肉痛、関節痛などに効果があるとされています。ただし、急性疾患や重度の心臓病、妊娠中の方などは入浴を控えることが推奨されています。
浴場には、平均45度と47度に調整された2つの内湯と、平均42度の露天風呂があり、すべて源泉かけ流しで提供されています。特に高温の内湯は「熱湯の美学」とも称され、地元の人々に親しまれています。また、露天風呂は外気に触れながらゆったりと湯浴みを楽しむことができ、内湯で火照った体を冷ますのにも最適です。
アクセスは、JR中央本線「下諏訪駅」から徒歩約15分。車の場合は、中央自動車道「岡谷IC」から約15分、「諏訪IC」から約30分です。駐車場は13台分が用意されており、徒歩2分の場所にある「遊泉ハウス児湯」の駐車場も利用可能です。
営業時間は5:30~22:00(最終受付21:30)、年中無休(メンテナンス休業あり)。入浴料は大人280円、子ども140円とリーズナブルで、タオルや石鹸、シャンプーなどの販売も行っています。
「旦過の湯」は、歴史と伝統を感じながら、心身ともに癒される温泉体験を提供しています。下諏訪を訪れた際には、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。