「昭和の路地裏に湧く、硫黄香る癒しの湯」
長野県諏訪市の上諏訪温泉街にひっそりと佇む「大和温泉」は、昭和の面影を色濃く残す共同浴場です。細い路地を進んだ先に現れるその入り口は、まるで時代を遡るかのような趣があります。地元の人々に長年愛され続けてきたこの温泉は、観光客にも開かれた貴重な存在です。
泉質はアルカリ性単純硫黄泉（低張性・アルカリ性・高温泉）で、無色透明ながらも硫黄の香りが漂い、肌に優しいとろみのある湯が特徴です。源泉かけ流しで提供される湯は、神経痛や筋肉痛、関節痛、慢性皮膚病などに効果があるとされています。ただし、急性疾患や重度の心臓病、妊娠中の方などは入浴を控えることが推奨されています。
浴場はステンレス製の細長い浴槽が特徴で、湯温は利用者が源泉の蛇口を開閉して調整するスタイルです。シャワーや備え付けの洗い場はなく、湯船から直接湯を汲んで体を洗う昔ながらの入浴法が求められます。脱衣所には鍵付きロッカーが設置されており、シンプルながらも清潔感があります。
アクセスは、JR中央本線「上諏訪駅」から徒歩約15分。車の場合は、中央自動車道「諏訪IC」から国道20号を経由して約5kmの距離に位置しています。駐車場はありませんが、近隣のコインパーキングを利用することができます。
営業時間は7:00～22:00で、毎週水曜日が定休日です。入浴料は大人300円、小学生130円、幼児70円とリーズナブルな価格設定となっています。
「大和温泉」は、昭和の風情を感じながら、地元の人々とのふれあいを楽しめる温泉です。旅の途中で立ち寄り、心と体を癒してみてはいかがでしょうか。