「千年の湯の記憶、渋温泉・九番湯で深まる癒し」
— 九つの外湯巡りの締めくくりにふさわしい“渋大湯” —
長野県・渋温泉郷の中心に位置する「九番湯 渋大湯」は、九つの外湯巡りの“締め湯”として知られる、風格ある共同浴場です。古くから湯治場として栄えたこの地の歴史を今に伝える大湯は、木造建築の落ち着いた佇まいと、湯の力強さが旅人の心と身体を深く癒してくれます。
湯船に満たされるお湯は、ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物泉という泉質を誇り、無色透明ながらも肌にやさしく、柔らかな湯ざわりが特徴です。泉温はやや高めで、体を芯から温めてくれる保温性の高さが魅力。神経痛や筋肉痛、関節のこわばりなどに効果があるとされるほか、疲労回復や冷え性の改善にも効果が期待され、湯上がりにはじんわりと汗がにじむ心地よさを感じられます。
ただし高温のため、長湯には注意が必要です。高血圧や心疾患のある方、小さなお子様や高齢者は、入浴時間を短めにとり、こまめな水分補給を心がけましょう。渋大湯は共同浴場のため、マナーを守って静かに入浴することも大切です。
アクセスは長野電鉄「湯田中駅」から渋温泉行きのバスに乗車し「渋温泉入口」で下車、徒歩約5分。渋温泉街の石畳の坂道を歩けば、旅情たっぷりの町並みと共に九つの外湯が連なり、まさに“温泉巡礼”の道が続いています。外湯めぐりを楽しんだ最後に、大湯でその締めくくりをするのが、地元でも旅人でも定番の流れです。
九つの湯の巡礼を経てたどり着く、癒しの終着点。渋大湯は、時を超えた湯の力と、旅人の心を包む静謐な空気が溶け合う、渋温泉の象徴ともいえる存在です。ひとたびその湯に身を沈めれば、千年の時を旅したような深い満足が、全身を満たしてくれることでしょう。
泉質 | ナトリウム、カルシウム−硫酸塩・塩化物泉 |
効能 | 神経痛・リウマチ、動脈硬化、切り傷、やけど、皮膚病など |