昭和の面影とぬくもりに包まれて
「心ほぐす、山間のひととき。沓掛温泉 小倉乃湯」
長野県青木村の静かな山あいに湧く沓掛温泉。その共同浴場「小倉乃湯」は、旅館街の一角にひっそりとたたずむ小さな湯処です。訪れる人々を出迎えるのは、どこか懐かしい木造の建物と、地元の人の温かな笑顔。ここには、時間がゆっくりと流れる、素朴で豊かな温泉の魅力が息づいています。
湯は単純硫黄泉で、わずかに硫黄の香りを感じる柔らかなお湯が特徴。無色透明で肌あたりがやさしく、湯に浸かればじんわりと体の芯まで温まっていきます。効能としては、神経痛、関節痛、慢性皮膚病や婦人病などに効果があり、冷え性や疲労回復を求めて湯治に訪れる人々も多い名湯です。また、アルカリ性の泉質が肌をつるりと整えてくれることから、美肌の湯としても知られています。一方で、急性疾患や重度の心疾患を抱える方には入浴を控えることが推奨されています。
小さな浴槽に、こんこんと注がれる源泉。設備は決して派手ではありませんが、どこか安心感を覚えるぬくもりに満ちています。昔ながらの共同浴場の雰囲気がそのまま残っており、旅の途中でふらりと立ち寄っても、まるで地元に帰ってきたかのような感覚に包まれます。
アクセスは、上田駅から車でおよそ30分。上田市から青木村を結ぶ青木街道(県道143号線)を走り、のどかな風景の中に沓掛温泉の案内看板が見えてきます。温泉街には小規模な旅館が点在し、どこか懐かしい昭和の面影が町全体を優しく包み込んでいます。
沓掛温泉 小倉乃湯は、喧騒から離れ、心身をゆるりと解き放つための小さな隠れ湯。温泉の原点を思い出させてくれる、そんな素朴な魅力がここにあります。
泉質 | アルカリ性単純温泉 |
効能 | 神経痛、筋肉痛、冷え性、疲労回復など |