「乳白の湯煙に包まれて、時を忘れるひととき」
長野県松本市の山間に佇む「白骨温泉 煤香庵（ばいこうあん）」は、静寂と自然に囲まれた日帰り温泉施設です。白骨温泉は、各宿が自家源泉を持つ珍しい温泉地で、煤香庵も独自の源泉を使用しています。その湯は、含硫黄-カルシウム・マグネシウム-炭酸水素塩温泉（硫化水素型）で、pH6.41、源泉温度39.6℃。湧出量は毎分102リットルと28リットル（男野天）で、加温はされているものの、源泉かけ流しの湯を楽しめます。
この泉質は、神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、慢性消化器病、冷え性、疲労回復などに効果があるとされています。ただし、急性疾患（特に熱のある場合）、活動性の結核、悪性腫瘍、重い心臓病、呼吸不全、腎不全、出血性疾患、高度の貧血、妊娠中（特に初期と末期）の方は入浴を控える必要があります。
露天風呂は、木造の四角い湯船で、5人ほどが入れる大きさ。高台に位置し、目の前の木々を眺めながら、乳白色の湯に浸かることができます。湯の味はすっぱみと苦味があり、硫黄の香りが漂います。湯口には成分がこびり付き、温泉の濃さを物語っています。
館内は日本建築風の落ち着いた雰囲気で、囲炉裏のある休憩スペースも用意されています。また、併設の食事処では、地元の食材を使った料理を楽しむことができます。
アクセスは、松本電鉄新島々駅から白骨温泉行きのバスで約1時間、終点下車後徒歩約3分。営業時間は11:00～14:30で、大人800円、小人400円（税込）。冬期は閉鎖されるため、訪問前に確認が必要です。
静かな山間で、乳白色の湯に身を委ね、日常の喧騒を忘れるひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。