歴史と湯けむりが交差する、義仲ゆかりの名湯
「時を超えて癒やす湯 木曽義仲ゆかりの葵の湯 大湯」
信州・別所温泉の中心に湧く「大湯」は、戦国の武将・木曽義仲が戦の疲れを癒やしたと伝わる由緒ある湯。長野県上田市の温泉地のなかでも特に長い歴史を誇り、「信州の鎌倉」とも称される情緒豊かな別所の街並みにしっとりと溶け込んでいます。風格ある湯屋造りの建物は、歴史ロマンを感じさせ、訪れる人の心を穏やかに包み込んでくれます。
泉質は単純硫黄泉で、pH約9の弱アルカリ性。ほんのりと硫黄の香りが漂い、湯の色は澄んだ透明感を持ちながら、柔らかな肌あたりが特徴です。この泉質は、美肌効果をはじめ、慢性皮膚病や神経痛、筋肉痛、関節痛、冷え性などに効果があるとされ、長年にわたり湯治客に親しまれてきました。一方で、急性疾患や重度の心疾患をお持ちの方は、入浴を控えるか、事前の医師相談が推奨されます。
葵の湯 大湯の魅力は、単なる温泉施設にとどまらず、木曽義仲の逸話を随所に感じられることにあります。戦の英傑が心身を癒やしたとされる湯に身を沈めれば、現代に生きる私たちもまた、日常の喧騒から解放されることでしょう。施設は清潔感があり、浴槽は広々としており、湯けむりの向こうに歴史の面影が揺らめくような感覚を楽しめます。
アクセスは、上田電鉄別所線「別所温泉駅」から徒歩約5分。駅からの道のりも趣に富み、温泉街の風情を味わいながらの散策が楽しめます。車利用の場合も、長野自動車道「上田菅平IC」から約30分と便利です。観光の合間に立ち寄るもよし、静かに湯と向き合うひとときを過ごすもよし。「大湯」は、歴史と癒やしが交わる信州の原風景の中で、静かにあなたを待っています。