「旅の疲れを癒す、ほっとする一湯」
— 地元に寄り添う、野沢温泉の素朴な名湯・新田の湯 —
野沢温泉に点在する13の外湯のなかでも、ひときわ静かで親しみやすい雰囲気を持つ「新田の湯」。中心街の賑わいから少し外れた場所にあり、観光客よりも地元の人々に深く愛される共同浴場です。小ぢんまりとした建物からは、素朴な美しさと生活の香りが漂い、まるで昭和の路地裏にタイムスリップしたかのような懐かしさを感じさせます。
湯船を満たすのは、野沢温泉ならではの硫黄泉。泉質はナトリウム・カルシウム－硫酸塩・炭酸水素塩泉で、やわらかな肌触りとともに、湯上がり後のしっとりとした感触が魅力です。筋肉痛、冷え性、疲労回復、慢性皮膚病などへの効果が期待され、日常に溜まった疲れをじんわりと溶かしてくれます。加えて、硫黄の成分には殺菌作用もあり、肌を清潔に保ち、ツヤのある美肌へと導いてくれると評判です。
ただし、源泉かけ流しのため温度はやや高めに感じることもあります。長湯はのぼせの原因となるため、こまめに休憩をとりながらの入浴をおすすめします。また、高血圧や心臓疾患をお持ちの方は、入浴前のかけ湯や入浴後の水分補給を忘れずに。
アクセスは、JR飯山駅から「野沢温泉ライナー」で約25分、「野沢温泉」バス停から徒歩10分ほど。観光スポットが集まる大湯通りから少し外れた立地にあるため、外湯めぐりの途中で静かな湯に浸かりたい時や、混雑を避けたい方にぴったりの一湯です。
新田の湯は、派手さはなくとも、日常の中にある本物の癒しを提供してくれる場所。心も体もゆるやかにほぐれるような、そんな素朴で深い温もりに、ふと「また来たい」と思わせてくれる、野沢の隠れた名湯です。